時代に寄り添う お寺の在り方 後編

こんにちは。芳全寺徒弟の荒木玲音(あらきれおん)です。
お坊さんが聞いてみるインタビュー「echo」
今回の対談は、前号に引き続き、横浜市港南区にある天神山貞昌院住職である亀野哲也師です。宗門の発展に大きく貢献され続け、またご自坊での様々な活動を通して檀信徒の布教教化に邁進されている方です。
多様なご経験から導かれるこれからの時代に即した布教のあり方を考えていきます
海外で感じたこと
荒木玲音(以下、玲音)
亀野住職は總持寺や宗務庁※でも長らくお勤めされていたのですよね。当時はどのようなご経験をされていたのか教えて頂けますか。
※宗務庁:曹洞宗宗務庁のこと。曹洞宗の寺院を包括する法人を宗教法人「曹洞宗」といい、その事務所を曹洞宗宗務庁という。
亀野哲也師(以下、亀野住職)
總持寺では電算室といって本山もコンピュータ化していく部署の経験や、禅師様の本葬儀や晋山式など宗門行持で行う際に事務局を作って、一年前から準備を行って運営したりしていました。また宗務庁では級階査定委員といって全国一万四千カ寺全ての規模を算定し宗費を決める役目も長らく務めていました。
玲音
多岐に渡ってご活躍されていたのですね。また国際布教にも携われていたとかお見かけしたのですが、海外ならではの布教の在り方の違いは何か感じられた経験はありますか。
亀野住職
今は宗務庁に国際課があるのですが、当時はまだ組織がありませんでした。ハワイや北米、南米など歴史が長い所で布教をされて帰ってきた方々とSOTO禅インターナショナルという組織を作りました。布教に関しては海外では坐禅がメインなのです。移民がきっかけで神社やお寺ができたため、日系一世、二世くらいは日本と同じように法事を行っていたりしたのですが、世代が変わっていくにつれ先祖供養よりも、禅を求めて坐禅をすると。信仰は別に持ちながら坐禅をやりたいという方が多いと感じました。

玲音
海外の方への布教のことと、お寺を身近に知ってもらうことは共通項があるように感じます。人によってニーズが多岐に渡るからこそできる限りお寺は応えていく。これが大切なのですね。最後に、私を初め青年僧侶へのアドバイスを頂けると嬉しいです。
お寺こそ柔軟に
亀野住職
お寺はやりようによっては何でもできる可能性を持っていると思います。伝統というのは変わらないものだと思いがちですが、お寺こそ一番柔軟性があると感じています。お寺自体場所によって、国によって全然違いますよね。そしてお墓の形も10年、20年と経てばまた変わっていきます。なので時代に合わせて、柔軟に変えていくのが良いと思いますよ。
玲音
曹洞宗としての信仰など変えてはならないところは維持しつつ、ということですね。
亀野住職
そう考えています。その前提の上で時代によって変えていくのが良いのではないでしょうか。
玲音
「お寺こそ柔軟に」というのは意外に感じましたが納得感があります。ニーズのところに話が戻るのですが新しいニーズを感じられることはありますか?
亀野住職
コスプレイヤーの方が撮影したいというのがあって、定期的に場所を提供するようになりました。いくつものお寺から断られたことを聞いて、なんとかしてあげたいなと思い協力し始めた所、定期的に開催されるようになりました。
玲音
なんと!まさに多様なニーズに応える事例ですね。亀野住職の柔軟なお考えと経験を組み合わせた取り組みには大変勉強させていただきました。本日はありがとうございました。


亀野住職、お忙しいところインタビューを受けて頂きありがとうございました!
時代に沿って柔軟に変化させていくお寺の運営には驚かされましたが、私も芳全寺のために何ができるか、何をしていくべきか今後よく考えていきます。





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