「大丈夫、あなたは一人じゃないよ」― 心を軽くする、仏さまの教え
皆さま、こんにちは!
先日、特派布教でいらっしゃった猪俣尚典(いのまた しょうてん)老師の、心温まるご法話を拝聴する機会に恵まれました。猪俣老師がご自身の体験を交えて語ってくださったお話は、まるで私たちの心をそっと包み込んでくれるような、優しさと力に満ちていました。
今日は、そのご法話から私が改めて感じた「大丈夫だよ」というメッセージを、皆さまと分かち合いたいと思います。
“がんばり屋さん”のあなたへ
私たちは毎日、本当にいろいろなことがありますよね。仕事のこと、家庭のこと、自分の将来のこと…。時には「もう疲れたな」「どうして自分ばっかり…」と、心がポキッと折れそうになる日もあるのではないでしょうか。
猪俣老師も、高校時代に大変な火事に遭われ、すべてを失ったそうです。着るもの一つにも困り、周りの目が気になって、心がどんどん縮こまっていったと、正直に語ってくださいました。
「自分だけが良ければいい」という気持ち(我利我欲)は、誰の心の中にもそっと顔を出すことがあります。でも、その気持ちは、実は自分自身を一番苦しめているのかもしれません。
心を救ってくれた、たった一言の「笑い」
そんな絶望の淵にいた猪俣老師ご一家を救ったのは、一人の大工さんの「あはははは!」という大きな笑い声でした。
「こんな時だからこそ、笑うんだぞ!」
その言葉と笑い声が、凍りついた心を溶かし、「そうだ、下を向いていちゃダメだ」と、再び立ち上がる力を与えてくれたそうです。
このお話を聞いて、私はハッとしました。
私たちは、誰かの優しさや思いやりに支えられて生きている。そして、私たち自身も、誰かの心を照らす光になれるのだと。
あなたの「優しさ」は、誰かの「お守り」
猪俣老師は總持寺に安居を終えた後、横浜から秋田までの600キロにも及ぶ歩き旅を支えたのも、栃木の皆さんの「頑張ってね」という温かい言葉があったとのことです。
皆さまが普段、何気なくかけている「ありがとう」や「大丈夫?」という一言。家族を思う優しい気持ち。その一つひとつが、仏さまの教えである「慈悲(じひ)」の心そのものです。その優しさは、きっと誰かの心を温め、お守りのように支えているはずです。
心が疲れたら、ちょっとだけ「お休み」しませんか?
もし今、少しだけ心が疲れているなと感じたら、無理をしなくても大丈夫です。そんな時は、お仏壇やお墓の前で、そっと手を合わせてみてください。
「合掌」は、仏さまと自分の心がぴったり一つになる、素敵な時間です。
そして、ほんの少しの時間でいいので、静かに座ってみる。これが「坐禅」です。
「今の自分はどうかな?」と、自分の心に優しく耳を傾けるだけで、不思議と心が軽くなり、また明日から頑張ろうという力が湧いてくるかもしれません。
仏さまは、いつも私たちのそばにいて、優しく見守ってくださっています。
だから、大丈夫。あなたは決して一人ではありません。
合掌
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